you are photography’s blog

思考を言葉にする練習

映画 -ジョーカー- あなたが知っておくべき5つのこと

ジョーカー

 

それは、この世界が生んだ狂気そのものである。

今回は、彼について語る上でもっとも大切なことについて触れていきたい。

f:id:you_are_photography:20191019224313j:plain

正義か。悪か。

 

1.機能しない政府

 

彼はゴッサム・シティという非常に治安の悪い街で生まれ育ったわけだが、

その街では不景気のため多くの失業者を抱えている。

彼は道化師として最低限の収入を得ていたが、

失態を犯してしまい職を失うことになる。

 

また、彼の街では貧困層と裕福層の格差が激しく、

行政が予算を治安維持に充てるために彼の通っていたカウンセラーや社会保障

(後ほど話すが、彼は精神病を患っていた)予算が打ち切られてしまった。

 

彼は話す人も、治療する薬も、どちらの治療も途絶えたのだ。

 

これらはすべて、ジョーカーというアイデンティティを確立するのに

ひと役買った要因の一部であることに間違いないだろう。

 

これは現代社会でも実際に起きている問題で、

経済格差が激しい国の一位にはチリ、三位にはアメリカなどが挙げられる。

 

2.ネグレクトと幼児虐待

 

悲惨なことに、彼は小さい頃に母親からネグレクト(育児放棄虐待を受けていた。

また彼の母親は精神異常者で、他にも様々な事実が明らかになるが、

それらの要因から彼は精神に大きな闇を負って過ごす事となる。

 

日本でも虐待のニュースをよく目にするのではないだろうか。

虐待やネグレクトは子供の精神を狂わせたり、

後に大きなトラウマを抱えさせる大きな原因のひとつである。

 

3.マイノリティの生きづらさ

 

上記で述べた通り、彼は精神病患っていたのだが、

統計的に見ると精神障害者というのは健全者に比べて圧倒的に少ない。

これは先程の話につながるのだが、社会保障制度に限らず

国の制度は基本的に多数決で判断するので

彼のようなマイノリティ(少数派)にとっては当然ながら生きづらい世界になる。

 

今世界で問題になっているのは、主にLGBTQなどが例として挙げられる。

電通の発表によると、日本人のLGBTの割合は、「左利き」の割合とほぼ同じくらい。

 

4.人々の賞賛と裏切り

 

彼は人々をジョークで笑わせたいと思っていたが、

理由もなしに集団的な暴力やいたずらなどで、人に欺かれることが多かった。

そのため彼は人を信じることが難しくなり、

残酷な方法で気持ちの埋め合わせをするようになる。

しかし彼は裕福層を殺すことによって一部の市民から称賛を得て、

それが引き金となり大きなムーブメントが街全体に広がる。

 

ここで彼は初めて人から認められることの嬉しさを覚えたのではないだろうか。
彼は精神を病んでいたことから、承認欲求が平均よりも著しく高かった可能性がある。

そのため人々から称賛されることが嬉しくなったのは一理あるだろう。

 

極悪非道に見える彼の人生の裏には、実は過去に人から何度も裏切られてきたという

傷跡が痛々しく刻まれているのだった。

 

5.あなたの周りにもジョーカーはいるかも知れない

 

これは決してありえないフィクションストーリーなどではなく、

上記に挙げた点の殆どが進行形で今も現実に起こっていることである。

つまりはいつ、どのような形でジョーカーのような人間が誕生しても

おかしくないということ。

 

そしてそこで誕生した「ジョーカー」は、我々の生きている社会が生んだ副産物、

いや、我々がしてきたことが 鏡 のように映し出した人間となる。

 

あなたは、ジョーカーを罪人扱いするだろうか。

それとも自分や社会を見つめるのだろうか。

 

是非、まだご覧になっていない方は映画館に足を運んでほしい。